1. ホーム /
  2. TOKEN /
  3. PROPSトークン

PROPSトークン

以下ではPROPS EcosystemおよびPROPSトークンの設計について考察する。記載内容についてはホワートペーパー等により知り得た客観的事実、そして我々が各国を回る中で得た知識・経験に基づいており、都度追記・修正を加えるものとする。また、本記事はトークンの将来的な価格変動に関して一切の責任を負わない。 

Update : 2018/8/28

概要

PROPS Ecosystemは、YouNow, Incが開発を進める、デジタルメディアアプリケーションとプラットフォームの分散型エコシステムであり、PROPSトークンは同エコシステムにおいて使用されるユーティリティトークンである。また、PROPSトークンはERC20に準拠する予定で、既にICOを実施済みだが、執筆時点ではトークンのローンチに至っていない(詳細は後述)。

YouNow, Incは2011年に創設された米ニューヨークに拠点を置く企業であり、社名と同名のライブストリーミングサービス「YouNow」を運営している。YouNowには2017年11月時点で4,000万人以上の登録者がおり、2017年第二四半期には590万米ドルの売上高を記録している。ちなみに、暗号通貨領域に積極的な姿勢をみせている著名ベンチャーキャピタルのUnion Square Ventures(USV)が2013年に投資を行なっている企業であり、USVの他の投資先には、Filecoin、Blockstack、Kikなどが含まれる。

上述したように、PROPSトークンの開発を進めるYouNow, Incは既にユーザー基盤をもつサービスを運営しているが、PROPS Ecosystemの導入としてYouNow, Incが新しく開発したのがマルチ動画配信プラットフォーム「Rize」だ。Rizeは、インタラクティブな動画配信を指向したアプリケーションで、既にAppStoreとGooglePlayからダウンロードすることができる。同サービスはAPIを用意しており、開発者はそれを利用して新しい動画配信スペースを構築することができる。Rizeでは、PROPSトークンとは別にアプリ内通貨(アプリから米ドル建てで購入できる)を採用しており、その理由として、「一般的なスマートフォンユーザーはいまだ暗号通貨に慣れ親しんでいないので、暗号通貨の知識がなくてもサービスを楽しめるようにするため」と説明している。将来的にはそのアプリ内通貨とPROPSトークンに互換性を持たせる計画であり、Rizeのユーザーは、動画配信を行って視聴者を獲得したりアプリ内通貨を他のユーザーから受け取ったりすることでPROPSトークンを受け取ることができる予定だ。また、詳細は明らかでないが、Rizeのアプリ内通貨販売による収益の一部で市場からPROPSを買い戻し、利用者への報酬に充てられる計画がある。
YouNow, Incは2018年8月、PROPS Ecosystem(PROPSトークンを利用したエコシステム)の2つ目のアプリ「WTF」のベータ版を公開した。WTFは、ライブビデオを利用したクイズアプリで、1日1回クイズ大会が行われ、正解者にPROPSトークンが支払われる。なお、執筆時点ではEtherでの支払いが行われている。
また、PROPS Ecosystemの拡大のためにThe Digital Media Foundationという非営利組織が設立されている。これはPartner Rewards ProgramというPROPS Ecosystemの成長に貢献するパートナーにPROPSトークンを報酬として付与するプログラムを管理し、PROPS Ecosystemのすべての参加者の利益を代表する組織とされている。ガバナンスも長期的にはYouNow, Incとは分離される計画だ。なお、この報酬プログラムの詳細についても現時点では明らかになっていない。

ユースケース

執筆時点においてPROPSトークンはローンチされていないため、トークンを入手することはできないし、ユースケースもないと言える。
しかしながら既述の通り、PROPS EcosystemのアプリケーションとしてRizeとWTFの2つがローンチされており、それらで使われているアプリ内通貨をパブリックブロックチェーンに実装したものがPROPSトークンであると考えて問題ない。つまり、PROPSトークンとしてのユースケースが生まれるのはプロダクトの終盤であるが、PROPSトークンの実装を念頭に置いた上で開発しているRizeにおけるアプリ内通貨は広義にPROPSのユースケースであると言うことも出来る。実際、現状PROPSトークンの概要を知るためにはRizeを利用するのが一番早いだろう。
開発者向けライブラリについては、PROPSトークンの実装を見据えて、PropsKit SDK(開発者が自らのアプリケーションにPROPSウォレットを簡単に導入できるSDK)や、Props Sentinel(REST APIでのPROPSトークンを用いたスマートコントラクトの利用)などがオープンに開発されているが、今の所実利用できるレベルではない。

トークン設計

PROPSトークンは既に述べた通り、Ethereumを利用したERC20に準拠するユーティリティトークンになる予定だ。総発行量は10億トークンで、執筆時点でバーンや新規発行の仕組みは計画されていない。
ユーティリティトークンとしての具体的な機能も固まっていない状態であるが、主に以下の4つを想定している。

①特別な機能へのアクセス権
②アプリ内におけるトークン保有者のステータス付与
③コンテンツ提供者やキュレーター、開発者への報酬
④アプリ内における独自コンテンツのプロモーション費用

ディストリビューション

YouNow, Incは、2017年12月に総額2,500万米ドルをハードキャップとしたICOを行い、定められた期間中にハードキャップに達した。このICOでは、総発行量の20%にあたる2億トークンが販売された。調達先は3つに分かれ、①戦略的パートナー向け販売(640万米ドル)②CoinListでの販売(1,653万米ドル)③Republicでの販売(107万米ドル)となっている。なお、CoinListおよびRepublicはICOプラットフォームの名称である。

ローンチ後のトークンの割合は次のように分配される。

引用: https://s3-us-west-1.amazonaws.com/compliance-ico-af-us-west-1/production/offerings/sale_documents/attachments/original/281/b77/bd-/281b77bd-1e16-4a5e-a6a1-64fd5ce95831-1517355362-015918e6d49bd6dd66d6cb2dc39535cfc1f06f6b.pdf

– 40%: The Digital Media Foundation(プラットフォーム利用者への報酬に利用)

– 20%: トークンセール参加者

– 26%: YouNow, Inc(3年間のロックアップ付き)

– 10%: 開発者への助成金やインフラの開発費

– 4% : アドバイザー

また、プラットフォーム利用者への報酬や開発者への助成金の分配スケジュールにはインフレキャップが規定されており、20年以上にわたり徐々に分配されることが計画されている。

引用: https://s3-us-west-1.amazonaws.com/compliance-ico-af-us-west-1/production/offerings/sale_documents/attachments/original/281/b77/bd-/281b77bd-1e16-4a5e-a6a1-64fd5ce95831-1517355362-015918e6d49bd6dd66d6cb2dc39535cfc1f06f6b.pdf

元来の計画では、2018年1月にPROPSトークンをローンチしICO参加者に分配を行う計画だったが、執筆時点でいまだローンチされていない。YouNow, Incはこの遅れについてMediumやTelegram等で言及しているものの、具体的な計画は明らかになっておらず、原因の詳細も不明である。米国規制当局により何らかの停止措置が取られているとも取れるような説明を一部行っており、続報が待たれる。

ロードマップ

執筆時点で公開されているロードマップは存在しない。上述のように、2018年1月に予定されていたPROPSトークンのローンチ計画が後ろ倒しになっており、少なくとも具体的なロードマップはトークンのローンチが無事成功するまでは公開されないと考えられる。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。