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Filecoin と FILトークン

以下ではFilecoinとFILトークンの設計について考察する。記載内容についてはホワートペーパー等により知り得た客観的事実、そして我々が各国を回る中で得た知識・経験に基づいており、都度追記・修正を加えるものとする。また、本記事はトークンの将来的な価格変動に関して一切の責任を負わない。 

Update : 2018/6/11

概要

Filecoinは、IPFSと呼ばれる技術とブロックチェーン技術を組み合わせた分散型ストレージプラットフォームである。IPFSとは、InterPlanetary File Systemの略であり、2014年からFilecoinの運営チームProtocol Labsによって開発されているP2Pの分散化Webシステムである。このIPFSネットワークが成り立つには、P2Pに参加しているユーザーのもとに暗号化し細分化したファイルが保持されていなければならず、膨大なストレージを安定的に確保することが課題となる。Filecoinは分散型ストレージの経済的な価値を確立し、ストレージの提供者にインセンティブを付与する仕組みを構築し、P2Pのファイルストレージシステムの新たな経済圏の創生を目指している。

Filecoinのシステム内でユーザーは以下の3つのタイプの役割を果たす。
(1)クライアント:FILトークンを支払ってDNS内にデータの保存や回収の依頼をする。
(2)ストレージマイナー:ディスクスペースを解放し、ネットワークにストレージを提供してFILトークンを得る。ストレージマイナーになるにはストレージの提供を保証するためにデポジットを支払うことになる。またブロックのマイニングに参加でき、提供しているストレージの分だけマイニングが有利になる。
(3)回収マイナー:クライアントがリクエストしたデータを探索し、クライアントに提供することでFILトークンを得る。

上記のIPFS上でFilecoinは大まかに次のような機能を持っている:
(1) ブロックチェーンとそのトークンで構成される分散型ストレージネットワークのプロトコルであり、「クライアント」はストレージの利用とデータの回収のためにトークンを消費し、「マイナー」はデータの保管・提供によってトークンを取得する。
(2)FilecoinのDNS(分散型ストレージネットワーク)が、ストレージ市場とデータ回収市場を介して、ストレージの利用とデータの回収のサービスを処理することができ、市場においてクライアントとマイナーはこのサービスの価格を設定できる。
(3)マイナーが契約したデータを正しく保管していることの証明に、FilecoinネットワークでProof-of-Replicationという確認作業を行い、正当性を暗号学的に保証する。
(4)データの保管を行うマイナーは、データをクライアントから預かる際にブロックチェーンのブロック生成のマイニングに参加でき、マイニング成功確率は提供しているストレージに比例する。
では、データの保存、データの回収、マイニングを行う際の概要についてそれぞれ説明する。Filecoinの全体像については、以下の図が分かりやすい。

Filecoin
引用 : https://coinlist.co/filecoin “Filecoin Primer”

データの保存
まず、クライアントとストレージマイナーとの間で、ストレージの利用についてオーダーブックによる競売が行われる。クライアントは、保存したいデータ(断片)の情報(データのサイズ、保存期間など)を希望するFILトークンの額とともにブロックチェーン上に提示し、ストレージマイナーは、ストレージの容量と希望するFILトークンの額を提示する。オーダーブックでストレージの売り買いが成立すると、両者が取引に関してブロックチェーン上に署名を行い、クライアントからストレージマイナーへデータが渡される。

Proof-of-Spacetime
上述の「データの保存」では未だトークンの授受は行われない。というのも、データは保存され続けなければ意味がないからだ。そこで、ストレージマイナーがデータを保持しているのかを確認するchallengeを行うたびに、クライアントからストレージマイナーへトークンが支払われる仕組みになっている。この確認作業はProof-of-Spacetimeと呼ばれる工程を繰り返し行うことでなされる。下図に概観が示されており、データのコピーを持っていないと答えられないようなデータに関するランダムな質問を何度か行い、その全てに正解すればその時点でデータを保持していることを証明できるというものである。この「ランダムな質問」というのは重要であり、マイナーの不正を防ぐために、事前に予測できず、ある程度の計算量を要する問題を出題する必要がある。

filecoin
引用 : https://filecoin.io/filecoin.pdf

データの回収
データを回収するときもオーダーブックによって競売が行われる。クライアントは、回収したいデータの識別番号と希望するFILトークンの額を提示する。反対に回収マイナーは提供できるデータの識別番号と希望するFILトークンの額を提示する。取引が成立すると、両者が取引に関してに署名を行い、回収マイナーとクライアントの間でデータとFILトークンが交換される。ただし、これらのやり取りは高速で行われることが望まれるため、オフチェーンのオーダーブックとペイメントチャネルを使ったデータとトークンの交換が技術的に求められる。

マイニング
Filecoinのブロック形成のマイニングは、ストレージマイナーの中からある確率に基づいて、ブロックを形成できる権利のあるリーダー(複数も可)選出する仕組みとなっている。このリーダーが選ばれる確率は、利用されているストレージが多いほど選ばれやすくなっており、Proof-of-Workのような無駄となってしまう計算の削減ができる。つまり、Proof-of-Spacetimeでストレージマイナーが要した計算量がブロック形成に有利になるようにインセンティブが組まれている。

ユースケース

現状Filecoinはサービスに利用できないが、サービスとして掲げているものには、分散的なクラウドストレージの確立、第三者を挟まないアルゴリズムによるストレージ市場やCDN(コンテンツデリバリネットワーク)の構築、データ交換や保管手段としての利用がある。

トークン設計

概要に記したとおりである。

ディストリビューション

総発行量は2,000,000,000FILであり、70%がブロックのマイニング報酬として今後新たに生じる。残りは既に生じており、15%がProtocol Labsで5%がFilecoin Foundationに割り振られ、6年かけてロックが解除されていく。10%がICOによって売却されている。

ロードマップ

解決すべき課題は挙げられているが具体的な予定については不明である。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。