1. ホーム /
  2. TOKEN /
  3. FT, FCandyトークン

FT, FCandyトークン

以下では取引所FCoinが発行するFCoin Tokenトークン、FCandyトークンの設計について考察する。記載内容についてはホワートペーパー等により知り得た客観的事実、そして我々が各国を回る中で得た知識・経験に基づいており、都度追記・修正を加えるものとする。また、本記事はトークンの将来的な価格変動に関して一切の責任を負わない。 

Update : 2018/7/25

概要

FCoin Token(FT)およびFCandyとは、取引所FCoinが発行するユーティリティトークンである。Ethereumを利用したERC20に準拠するトークンであり、独自ブロックチェーンへと移行する計画等は執筆時点では発表されていない。発行元のFCoinは2018年5月末にオープンした新興取引所で、大手取引所HuobiのCTOを務めていたJian Zhangが設立した。
ここで詳説するように、FCoinは取引マイニングや収益分配といったFTのユニークな設計が注目を集め、ローンチ後すぐに取引高を急拡大させた。執筆時点で、24時間のドル建て取引高はこれまで長らくトップだったBinanceを上回っている。
FCoinおよびFTの大きな特徴は、FT保持者へ収益の大半を分配する点と、FT保持者がFCoinの運営における意思決定に投票を通じて参加できる点である。運営における意思決定においては、FCoinの運営チームの選定までも権限に含まれるなど、FT保持者にFCoin自体のガバナンスが委ねられる計画だが、計画段階で未だ実施には至っていない。
FCandyは、2018年7月10日に計画が発表されたあと同月20日に配布されたばかりのトークンだ。FCandyの発行にともなって、FCoinは収益の一部を使ってFTを市場から買い戻しオープンに公開された資産プールを形成する。FCandyはその資産プールの所有権を示すトークンとして設計されている。なお、執筆時点において設計の詳細な計画が未定な箇所が多々あったり、一度公表されたルールが変更されたりすることがあるため、記載した事実から変更される可能性があることに留意してもらいたい。

ユースケース

【FT】
FTはFCoin上で売買できるほか、後述する取引マイニングを通じて入手できる。また、FTをFCoin上で保有することで、収益の配当を受けることができる。1日24回にわたり保有量の確認が行われ、FTの持分に応じて毎日の取引手数料(注1)による収益の80%が分配される。収益の残りの20%はFCoinの運営費に充てられる。分配はFT建てではなく、実際に手数料として支払われた通貨建てで分配される。なお、FTの流通量が30億FTに達するまでは、収益の100%を分配することが発表されている。

注1: 執筆時点で、FCoinで取り扱いのある通貨の取引手数料は一律0.1%に設定されている。

【FCandy】
FCandyは、現状FCoin上で売買する以外のユースケースが存在しない。計画では、近々にもFCandyを利用した投票機能が実装される予定となっている。

トークン設計

【FT】
FTトークンは既に述べた通り、Ethereumを利用したERC20に準拠するユーティリティトークンだ。総発行枚数は100億FTで、新規発行やバーンの仕組み、計画は無い。上述の通り、FCoinのガバナンスにも用いられる計画だ。

【FCandy】
FCandyトークンもFTトークンと同様、Ethereumを利用したERC20に準拠するユーティリティトークンだ。総発行枚数は規定されておらず、資産プールに追加された資産額の5%分のFCandyが毎日新規発行される。FCandyの資産プールに資金が流入する経路は以下の2つ存在する。
FCoinの収益の50%を使いFTが買い戻され、買い戻されたFTが資産プールに追加される
FCoin GPM(注2)に上場するプロジェクトが独自トークンを追加する(詳細未定)。
上記のとおり、FCandyはFTを市場から買い戻して実質的にロックする役割を果たしている。
FCoinによって最初に1億FTが資産プールに追加され、FCandyの初期発行価格はFCoinにより0.01USDTに設定されたため、当時のFTの市場価格に基づき最初の発行数は約123百FCandyとなった。

注2: 成長プロジェクトを上場させるFCoin内の二次的な市場

ディストリビューション

【FT】
FTの発行にあたって、一般投資家向けのクラウドセールは一切行われず、FCoinによって無償配布が行われている。総発行量の100億FTのうち51%は後述する取引マイニングや招待キャンペーンによってユーザーに無料で配布される。残りの49%の分配については以下の通り。
– 23% : FCoin Fund(注3)
– 12% : 創業チーム
– 9% : 戦略的パートナー
– 5% : プライベートセール(注4)

注3: 暗号通貨経済圏への投資を目的として投資ファンドへの投資を中心に行うファンド
注4: プライベートセールの詳細は不明

引用: https://www.fcoin.com/ft-en.pdf?v=1.3

上述の通り、ユーザーへの配布は主として取引マイニング(Trans-Fee Mining)を通じて行われる。その他、招待キャンペーンによってもFTが付与される。取引マイニングとは、あらかじめ定められた期間内の取引に発生した取引手数料をFT建てで還元してもらうことだ。この施策によって取引手数料が最大で実質無料となる。この取引マイニングは、FCoinで取引を行った全ての利用者に100%の還元が行われ、無償配布用に用意された51%のFTがなくなるまで実施される計画だ。

【FCandy】
FT同様、FCandyの発行にあたっても一般投資家向けのクラウドセールは一切行われず、FCoinによって無償配布が行われている。トークン設計の項で述べたように、最初期の発行料は約123百万FCandyに決定され、分配は次のように行われた。

– 80%: 2018年7月20日時点でのFT保有率に応じてFT保有者に分配

– 20%: 招待キャンペーンに参加していたFCoin利用者に分配

最初の分配以後に日々発行されるFCandyは、FCI06と呼ばれるFCoinのインデックスの対象となる7通貨(BTC, ETH, FT, LTC, ETC, BCH, USDT)のFCoinへの預け入れ割合に応じて分配される予定となっていて、詳細な計画は今後発表予定だ。

ロードマップ

2018年7月にスマートコントラクトを使用したFT保有者による初めての投票が行われる計画だが、今のところ追加のアナウンスはない。同年8月には収益分配をスマートコントラクトで実装し、2019年9月にはFT保有者による運営チームの選挙が行われる計画だ。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。