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CryptoValleyLabs インタビュー

暗号通貨、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペースとして世界的に注目を集めるスイスのCryptoValleyLabsに訪問し、施設内の見学及び施設に関する話を訊いてきた。

Interview Date : 2018/5/21

CryptoValleyLabs

2017年に設立された、スイスのツークにある暗号通貨、ブロックチェーン事業に特化したコワーキングスペース。施設内のサービスは全てCryptoValleyTokenで支払うことができ、トークンエコノミーとしても機能する(現在開発途中)。法務、税務、会計、マーケティング等の様々な専門企業と提携を結びエコシステムをサポートしている。事業についても利用者は経験豊富な起業家によって構成されたLakesidePartnersからアドバイスを受けることが可能。ツーク州局との提携も果たしており、本コワーキングスペースの活動は公的にも認められている。将来の構想として、スイス国内のみならず世界中に拠点を設けることを考えている。

インタビュー

欧州をはじめ世界各国からCryptoValleyLabsには多くの暗号通貨・ブロックチェーン企業が集まっている。充実したサポート体制、利用者の交流・情報交換を促進する仕組みが上手く機能し、この業界においてまさに世界のHub的役割を担っている。

  現在何社程がこの施設を利用しているのか
50社程かそれ以上。2018/3Qまでに改修工事を行う予定でありそれが終われば利用者の数はさらに増えるだろう。

  改修後は具体的に何社程収容可能であるのか
現在閉まっている1Fと3Fを開放することでベーシックプラン(月何日利用可能等制限あるプラン)とアンリミテッドプラン(常駐プラン)と合わせて200社以上は利用可能になるだろう。暗号通貨・ブロックチェーン企業はリモートで働くところも多いので具体的に施設の利用状況を評価することは難しいが、今回のリノベーションによって確実に利用者は増えるだろう。

  どの国、地域から企業が集まっているのか
主にヨーロッパ。自国では規制が厳しいとの理由でスイスに活動拠点を移す企業も多い。ヨーロッパに比べれば少ないが、アジアや南米から来ている企業もある。

  料金体系についてHP上で確認したところ、日本と比べてあまり変わりがなく安い印象を受けたが国内の他の施設に比べてどうか
料金についてはなるべく安く抑え、多くのスタートアップが利用できるように努力している。

※実際に利用者にCryptoValleyLabsを選んだ理由聞いたところ「料金の安さ」を挙げる人も多かった。スイスは物価が日本の2倍以上と高いことから、著者自身も施設の料金体系を知った時は驚いた。

  利用者へのアディショナルサービスは何かあるか
会議室や家具の貸し出しサービス、LANサービス、メーリングサービス、電話サービスがある他、定期的にCryptoValleyLabsで開催されるイベントにも無料で参加することができる。

※アディショナルサービスの料金体系は別途資料をいただいたので、知りたい方は本メディアを通して株式会社Baroque Streetまで問い合わせていただければと思う。

  イベントはどの程度の頻度で開催されるのか
ほとんど毎週、少なくとも2週間に1度は開催されている。外部からゲストスピーカーを呼びミートアップのような形で開催されるものが多い。

  スイスにはいくつかコワーキングスペースがあると思うが、どのように差別化を図っているのか
CryptoValleyLabsはご存知の通り暗号通貨、ブロックチェーンに特化したコワーキングスペースとして人気を集めている。この施設を利用すれば、世界から集まった多くの企業と交流、情報交換できることは大きな利点だろう。また、利用者へのサポート体制も充実している。我々は法律、会計、税務、マーケティングといった各分野の専門企業と提携を結んでいる。

  政府や規制当局等公的機関とのつながりはあるか
ツーク州局と提携している他、それぞれのパートナーが公的機関との関わりも深い。彼らは非常に自分たち(暗号通貨関連業社)に対して寛容である。

  同じ国内にあるブロックチェーン特化のコワーキングスペースTrustSquareとの提携やビジネスインキュベーターのF10との提携がニュースで見られたが、これらの目的は何か
TrustSquareやF10との提携の主な目的は、エコシステム内のつながりを促進しステークホルダーを増やすことにある。CryptoValleyLabsの利用者がこれら提携先においても作業できるようにすることによって、より意味ある関係を築くことができる。ツークに拠点を置く企業がチューリヒで働きながら我々のサポートを受けることもできるだろう。

  暗号通貨、ブロックチェーンに特化した独自の取り組みはあるか
CryptoValleyトークン発行の準備を現在進めている。特にICOをする予定はなくデジタルコインとして施設サービスの支払い等、利用者の間で使われるコミュニティコインとして役割を果たす予定である。その他施設内にはビットコインATMが1台置かれている。


以下、実際のコワーキングスペース利用者の声をいくつか紹介する。

・先に施設に利用していた人に勧められて利用を決めた。利用価格は他と比べても安い。
・ほぼ毎週のようにミートアップが開かれるのでコネクション作りには最適。ここは暗号通貨、ブロックチェーンに特化しているのでそこは通常のコワーキングスペースにはないメリット。
・人と話すのが好きな人は良いが、デベロッパーのような一人での作業を好むような人には少し騒がしいかもしれない。
・利用者はほとんどが現地の人ではなく外国人。自国では規制が強いといった理由でスイスに訪れこの施設を利用している人も多い。

bitcoinATM
施設内に設置されてあるBitcoinATM (写真:Baroque Street)

 

所感

スイスは、各国メディアにおいて暗号通貨・ブロックチェーンの分野をリードする国として紹介されている。先日発表されたBlockshow Europeの調査においても、スイスは暗号通貨フレンドリーな国第1位に名前が挙がっている。私自身も今回の滞在を通じてそのことを実感することができた。昨年スイスで多くのICOプロジェクトが生まれたことで、スイスには世界からさらに多くの暗号通貨・ブロックチェーン企業が集まっている。それは単に政府や規制当局といった公的機関がこの分野に対して寛容だからという一面的な理由だけではなく、国全体として業界を発展させる為のサポート体制が整っているからに他ならない。その基礎となるのがコワーキングスペースであり、CryptoValleyLabs(TrustSquare)は暗号通貨・ブロックチェーンの集合知として機能していると言える。

日本においてもこの類のコワーキングスペースを作る流れができつつある。Omiseが主導するNeutrinoと国内著名ビットコイナーが主導するHashHubが有名だろうか。ここでは敢えて双方へのコメントは控えさせて頂くが、実際に両コワーキングスペースが上手く機能する為のサービスとして何か貢献してくれることを一ユーザーとして望んでいる。いずれにせよ、これらがエコシステムとして上手く機能する為には、政府・金融・その他企業あらゆるセクターの協力が必要となるだろう。

今回視察に協力して下さったCryptoValleyLabsのTatiana Schmid氏にはこの場を借りて改めて御礼申し上げる。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。