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スイス暗号通貨動向(法規制等)

以下ではスイスの暗号通貨に関する情報を中心に、その国の生活その他に関する情報についても書き記す。記載内容についてはメディア報道等により知り得た客観的事実、そして我々が各国を回る中で得た知識・経験に基づいており、都度追記・修正を加えるものとする。

Update : 2018/6/3

注目都市

チューリヒ

スイス最大の都市でチューリヒ州の州都。世界有数の金融都市としても知られ、街には多くの金融機関、研究開発機関が立ち並ぶ。暗号通貨に関しては、コワーキングスペースのTrustSquareを中心にチューリヒを拠点に活動する企業も多い。

ツーク

ツーク州の州都。スイスの暗号通貨・ブロックチェーン協会であるCryptoValleyAssociationおよびコワーキングスペースのCryptoValleyLabsがあり、世界各国から多くのビジネスマンが集まっている。スイスの暗号通貨業界における中心地とも言えるだろう。

リヒテンシュタイン(公国)

スイスとオーストリアに挟まれた小国。「欧州自由貿易連合(EFTA)」「欧州経済領域(EEA)」といった国際連盟に加盟しているものの、EUには加盟しておらず流通通貨はスイスフランである。タックスヘイブンとしても知られ、多くのペーパーカンパニーが存在する。暗号通貨企業も多く存在するが、そのほとんどが同様に住所を構えるだけのものとなっている。

ジュネーブ

チューリヒに次ぐ第2の都市でジュネーブ州の州都。国際連合の諸機関をはじめ多くの国際機関が所在し、様々な国際会議が行われている。フランス語圏内。

バーゼル

チューリヒ、ジュネーブに次ぐ第3の都市でバーゼル・シュタット準州の州都。スイス、フランス、ドイツ3国の国境が接しており、ドイツ語圏内に位置するがフランス語使用者も多い。

ベルン

スイスの首都。

取引所

Lykke Exchange

2013年設立のFintech会社Lykke.Corpが運営する暗号通貨交換業者。2016/9月から10月にかけてICOを行い、LykkeCoin(LKK)を発行している。LKKは運営元Lykke.Corpの株式として考えられており、保有者はガバナンスへの参加権、配当権が得られるとのことである。スイス、英国、バヌアツ、キプロス、シンガポール、および米国に拠点を持つとHPに記載はあるが、現状登録済のものはスイス、英国、バヌアツの3ヵ国。取扱通貨はBTC,ETH,BCH等主要通貨を含め70通貨以上であり、USD、CHF、EUR、GBP、JPYで取引が可能。ただし、本取引所はLKKを含めカラードコイン取引サービスを特徴としており、フィアットについてもカラードコイン(lkeUSD, lkeCHF等)として扱われる。

Swissquote                             

スイスを代表するオンライントレードバンク。1990年に前身となるMarvel Communications SAを創業。1996年に証券取引プラットフォームとしてSwissquoteが誕生した。2000年にはスイス証券取引所に上場し、株式・債券・先物取引・FX等の金融取引サービスを提供している。スイスの他英国、香港、UAE、マルタに拠点を構え、英国サッカーチーム:Manchester Unitedのスポンサーとしても知られる。このような世界的にも名の知れたSwissquoteであるが、2017年には欧州取引所Bitstampと提携を結び暗号通貨取引サービスも開始している。取扱通貨はBTC,ETH,XRP,BCH,LTCの5通貨で、USD,EURで購入が可能。

法規制

ICOガイドライン(https://www.finma.ch/)

スイス規制当局であるFinma(Swiss Financial Market Supervisory Authority)が2018年初めにICOガイドラインを公表。Finma はトークンタイプを大きく分けて以下3つに分類している。なお、Hybridに分類を跨っても問題無い。

Payment token : 決済用トークン
→AML対策を義務付けるが、証券とは見なさない
Utility token : サービス利用トークン
→証券とは見なさない
Asset token : 実物資産あるいは企業の配当利払い権利に紐づいたトークン(※)
→証券と見なす。証券法および民事法(目論見書要件等)への準拠が必要。
 ※ 機能としては株式、債券、デリバティブ商品等に類似したもの

Finmaは政府のブロックチェーン/ICO室と連携してこの分野の様々な枠組み策定に取り組んでいる。ブロックチェーン技術がもたらすイノベーションの可能性を十分に理解した上で、その発展には民事法における透明性の確保が重要であると考えている。このガイドラインはICOの盛り上がりによってFinmaへの問い合わせが急増し、基本的な指針の必要性を感じたことから策定されたものである。あくまでベースとなるものであって、具体的にどの法律、ルールに準拠すべきであるかは各々の事業の詳細によって異なる。銀行法に関して、ICOは銀行預金と違い預金者(ユーザー)からの返済請求に応じる義務は無く、この点においては「預金」に該当しない為に銀行ライセンスを取得する必要はない。しかし、トークンが負債的性質を有する場合(ex. 一定のリターンを保証する等)には募集された資金は「預金」として扱われる為、例外を除き銀行ライセンスの取得が必要になる。

税制

税制に関して現状具体的な取り決めはないものの、税務局は税制を整備しようと議論を進めている。

自国通貨

・EUに属しているものの、流通通貨はスイスフラン(CHF)を使用。
・e-フラン
政府機関はe-フラン発行の構想を持っているものの、現状は発行リスクとその経済効果等について検証段階にある。

決済

・カード決済が主流。UBS発の決済アプリ「TWINT」等カード登録型スマホ決済アプリについても一部普及が進んでいる。
・暗号通貨決済については地下鉄・トラム等の交通チケット購入のほか、BurgarKingといった店舗決済においても一部受け入れられており、少しずつではあるが普及が進んでいる。記、高額紙幣廃止騒動によりキャッシュレス化に舵をきってはいるが、未だに現金決済が主流である。インターネット、スマートフォンの発達に伴い、オンライン決済プラットフォームが複数存在し、今後の成長が期待される。

ICO

Sirin Labs
ブロックチェーンスマートフォン開発

Status
メッセージプラットフォーム

Bancor
DEXプロジェクト

Aeternity
Dappsプラットフォーム

Monaco
暗号通貨デビットカード

SingularityNet
分散型AIマーケット

Polkadot
マルチチェーンネットワーク

Melonport
資産管理プラットフォーム

Mybit
IoT投資プラットフォーム

現時点で確認できたもので、他にも約50ほどのICOプロジェクトがあり、スイスとして非常に盛んである。

個別企業(団体)動向

CryptoValleyAssociation
スイスのツーク州に拠点を置くスイスの暗号通貨・ブロックチェーン協会。企業、投資家、大学等各方面のプレイヤーが本協会に登録しており、スイスにおいて業界を取りまとめる立場にある。定期的に交流イベントを開催したりと国全体のネットワーク形成を促進している。

CryptoValleyLabs(CVL)
スイスのツーク州にある暗号通貨・ブロックチェーン特化型コワーキングスペース。欧州を中心として海外事業家の多くが利用しており、毎週のようにゲストスピーカーを招いたMeet-upが開催されている。TrustSquare、F10とは提携を結んでおり、業界のエコシステムとして機能している。

TrustSquare
スイスのチューリヒ州にある暗号通貨・ブロックチェーン特化型コワーキングスペース。CVLとの違いとして、本施設はグローバルアカデミック分野に力を入れている。チューリヒ大学の教授等と連携し暗号通貨・ブロックチェーンの研究を支援している。

F10
スイスのチューリヒ州にあるFinTech系ビジネスインキュベーター&アクセラレーター。専門家によるサポート、スタートアップと投資家との引き合わせ等によるスタートアップ企業支援を主に行なっている。

Shapeshift
2014年設立、ツーク州に拠点を置く暗号通貨両替所。フィアットは取り扱っておらず、暗号通貨同士の取引のみが可能。本人確認等不要でアドレスがあれば誰でも簡単に利用ができる。即時取引を特徴としている他、取扱通貨が42種類(更新時点)と多い。ハッキング被害が何度かありセキュリティ面での懸念はある。

CryptoFinanceAG
2017年設立、暗号通貨に特化した富裕層向け資産管理・運用会社。 Crypto Fund AG (アセットマネジメント), Crypto Broker AG (取引仲介), and Crypto Storage AG (保管)の3部門からなる。

関連イベント

・Meet-up
CryptoValleyLabsやTrustSquareといった暗号通貨・ブロックチェーン特化型のコワーキングスペースを会場としてほぼ毎週のようにMeet-upが開催されている。また、一般の初級者向けのMeet-upも行われている。

・CryptoValleyConference
CrytoValleyAssociationが主催となりスイスの業界知識人をスピーカーゲストに開催されるカンファレンス。

政治経済

・19世紀以降永世中立国として存在し、国内には多くの国際機関本部が置かれている。

・戦時中、欧州を中心に世界各国の富裕層らは永世中立国であったスイスに多額の資産を移した。そのような経緯から金融、中でもプライベートバンク(PB)の文化が発展し、今なお多くの富裕層がスイスに資産を置いている。

・スイスリークス事件(2015年)が発生し、HSBCのPB部門が富裕層顧客の脱税を援助していたとの内情が明らかとなり、以降シンガポールや香港といったアジアの金融国に資産を移す動きも一部見られている。

・法人税の優遇税制が充実しており、外国から節税目的で拠点をスイスに移す企業も多い。

 暮らし

・物価が日本の約2倍と高く、一食まともに食べようと思うと3,000円はくだらない。

・交通券はトラム、電車と共通であり各駅で購入することができる。行き先指定、エリア指定で値段が変わる。また、1日券等もある為、日あたり複数回移動する場合にはそちらを購入する方が得だろう。

その他

・時計の産地として有名。

・クレジット決済をする際にJPY建てかCHF建てを選択できる店舗が多いが、CHF建の方がレートが良い。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。