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リトアニア暗号通貨動向(法規制等)

以下ではリトアニアの暗号通貨に関する情報を中心に、その国の生活その他に関する情報についても書き記す。記載内容についてはメディア報道等により知り得た客観的事実、そして我々が各国を回る中で得た知識・経験に基づいており、都度追記・修正を加えるものとする。

Update : 2018/7/15

注目都市

ヴィリュニス

リトアニアの首都。欧州文化都市の一つで、エストニアと同様に旧市街地は世界遺産にも登録されている。ICO調達額ランキングで上位に位置するように、暗号通貨・ブロックチェーンは盛んで多くの企業がヴィリュニスを拠点に活動している。エンジニア採用コストがその他欧州に比べ低いことから開発チームのみ置く企業も見られる。

カウナス

リトアニア第2の都市。第二次大戦中、カウナスの日本領事館に赴任していた杉原千畝がユダヤ人の欧州脱出を支援したことでも有名。暗号通貨・ブロックチェーンについてもカウナスを拠点に活動する企業も見られ、Meet-upも定期的に開かれている。

取引所

Spectrocoin                                   

2013年にリトアニアで設立された暗号通貨交換業者。リトアニア(ヴィリュニス)のほか英国(ロンドン)にも拠点を持つ。取扱通貨はBTC,ETH,DASH,NEM,BNKの5通貨であり、USD,EUR,GBPを含む24通貨で取引が可能。取引所のほかプリペイドカード、独自ウォレット、店舗決済サービスの提供も行っている。APIやアフィリエイトも利用可能。世界ICO調達額ランキング上位であるBankeraのICOが行われた取引所として有名であり、当社役員はBankeraの役員も兼任している。

Coingate                                       

2014年にリトアニアで設立された暗号通貨交換業者。リトアニア(ヴィリュニス)に本社を構える。取扱通貨はBTC,ETH,XRP,BCH,LTC,DASH,ZECの7通貨であり、USD,EURで取引が可能。また、銀行振込だけでなくクレジット払いやQQPay, Moneypoloといった送金・決済アプリを通じて購入することもできる。取引所のほか店舗決済サービスの提供やICOプロジェクト向け受入決済通貨の追加サービス、ビットコイン決済受入店舗のプロモーション支援等も提供している。

btc-exchange.com                                

2013年にリトアニアで設立されたBitmarket JSCが提供する取引プラットフォーム。リトアニアのモバイルバンク企業Mistertangoと連携し、Mistertangoの口座(IVAN)を介して取引が行われる。取扱通貨はBTCのみであり、EURで取引が可能。

法規制

ICOガイドライン                                    

2018年6月にリトアニア政府はICOガイドラインを発表した。政府側はこれはあくまでガイドラインであり暗号通貨・ブロックチェーン事業者に基本的な指針を示すものにすぎず、法的に何かを拘束するものでは無いと強調している。もしガイドラインと中央銀行や税務、監査、会計機関等の見解に相違があった場合は後者が優先される。
http://finmin.lrv.lt/uploads/finmin/documents/files/ICO%20Guidelines%20Lithuania.pdf

ICO規制                                       

ICOプロジェクトを取り締まる明確な規制は無いが、事業やトークンモデルの証券性が高い場合に、例えば証券/金融商品/クラウドファンディング等、それらに応じた既存の法的枠組みで規制を課すことはある。

税制                                       

個人では、暗号通貨売買で得た利益については所得税(標準税率は15%)が課税される。法人では、ICO調達資金についてトークンが証券として見なされる場合あるいはその資金がプロダクトやサービスに使われる場合は非課税となり、その他取引で得た利益については法人税(標準税率は15%)の課税対象となる。VATについては基本的に非課税であるが、第三者が提供するマイニングサービスを通じて報酬を得た場合には課税対象となる。

会計                                       

基本的に暗号通貨は従来の金融資産の会計基準に則り時価評価で行われるが、一部トークンモデル(Payment,Utility,Security)によって計上の仕方が異なる。Payment tokenに該当する場合は大きな特徴は無いが、Utility tokenや Security tokenに該当する場合それによって得られる報酬や配当の内容に応じて会計処理をしなければならない。その他、ICOプロジェクトによるプラットフォーム開発資金については、プラットフォームが既に稼働しユーザーからの利益が見込まれる場合は無形資産の取得原価として計上することもあるが、基本的には費用として計上する。また、プロジェクトのウォレット内に置かれている独自トークンについては、市場が安定しそれらが売られる可能性が出るまではオフバランス処理をする等の内容が書かれている。

AML/CFT                                       

リトアニア政府は中央銀行そして金融犯罪捜査機関とAML/CFT法の改正案を準備しており、金融市場の安定性と透明性確保の為、暗号通貨・ブロックチェーン業界に関する規定に重点を置く予定となっている。

中央銀行                                  

リトアニア中央銀行は暗号通貨の犯罪利用(AML/CFT)への懸念を持ちながらも、その技術的な可能性を理解し緩和的な姿勢を示している。政府同様に暗号通貨・ブロックチェーンを国としてのチャンスと捉えており、今後も業界を後押しする方向に動くと思われる。

商業銀行                                       

国内の主要商業銀行は暗号通貨・ブロックチェーンに厳しい姿勢を示しており、しばしば口座開設が拒否される。彼らはスイスをはじめとする海外の銀行やRevolutのようなモバイルバンクを利用しているとのこと。

自国通貨

EUに属し流通通貨はユーロ(EUR)を使用。

リトアニア中央銀行は、独立100周年の記念として世界初となるコレクション用仮想通貨の発行を計画している。発行日等の詳細は不明。

決済

NFC対応のカード決済が主流。

暗号通貨決済については、レストランやタクシー会社、服屋等ビットコイン決済を受け入れる企業の数は次第に増えている。これら普及を先導しているのがCoingateやCoppayである。

ICO

Bankera

バンキングプラットフォーム

Monetha

フリーマーケットプレイス

Bitdegree

教育プラットフォーム

Debitum Network

企業融資プラットフォーム

Pillar

個人情報管理プラットフォーム

NEM

Dappsプラットフォーム(開発拠点有り)

Wepower

エネルギープラットフォーム

Sola

SNSプラットフォーム

Minerone

マイニング施設建設

Lympo

ヘルスケアプラットフォーム

War Field

戦闘ゲーム開発

Dorado

フードデリバリープラットフォーム

CHRG Network

電気自動車充電プラットフォーム

Globitex

取引プラットフォーム

Coppay

店舗決済プラットフォーム

個別企業動向

Blockchain Centre Vilnius

2018年1月に設立されたリトアニアの暗号通貨・ブロックチェーン特化型インキュベーション施設。現地・海外企業と合わせて現在8企業が利用しており、中には日本でも有名なNEMも含まれる。プランの見直しを行っており、Fixed deskだけでなくFlexible deskプランも近日導入予定。毎週水曜日にMeet-upを行い、その内月に2回程はゲストスピーカーを招致したイベントを開催している。
詳細はこちら

Think rise

英国Barclays銀行が後援を務め、イノベーション促進の為に開設したFintech特化型コワーキングスペース。米国(ニューヨーク)、欧州(ロンドン、マンチェスター、ヴィリュニス)、アジア(ムンバイ、テルアビブ)、アフリカ(ケープタウン)で合わせて7拠点ある。施設利用者には暗号通貨・ブロックチェーン企業も含まれており、定期的にrise施設を利用したMeet-upも開催されている。

HodlFinance

P2Pレンディングプラットフォームとしてある程度の成功を収めていたSAVYという企業のメンバーが暗号通貨領域にも事業を拡大しようと2018年初めに立ち上げた。EU規制にも準拠し各種ライセンスも取得済。現在HP上で確認できるデモではBTC,ETH,LTCに対応しUSD,EURで取引が可能。Hodlクレジットカードの提供も行う予定とあるが、今はローン提供も含めHP上からWaiting listに参加すること以外はできない。

Blockchain open fund

リトアニアを拠点に活動するICO投資コンサル。欧州を中心に活動するベンチャーキャピタルGoldfish Fundからスピンアウトする形で2018年に設立された。Monethaをはじめ両社合わせて多くのICOプロジェクトに投資している。

関連イベント

Meet-up

Blockchain Centre VilniusやThink riseといった施設を利用して毎週何かしらのMeet-upが開催されている。実際に話を聞き参加してみた感触として、ユーザーに暗号通貨投資を促すような内容ではなく、暗号通貨やブロックチェーンの基本的な説明を交えた教育的な内容が多い印象である。

Conference

2018年6月に開催されたBlockForumをはじめヴィリュニスでは定期的に暗号通貨・ブロックチェーン関連のカンファレンスが開かれている。更新月である2018年7月には個人情報管理プラットフォームの構築を目指すPillarが主催となって「pillar unconference」が開催される。

政治経済

第一次世界大戦中の1918年に旧ソ連から独立し今年(2018年)独立100周年となる。

投稿者プロフィール

Baroque Street 編集部
Baroque Street 編集部
暗号通貨のシンクタンク。
アジア、ヨーロッパを中心に各種関連企業にヒアリングを行い、各国の法規制やトークンの設計、取引所の運営等を調査している。